飼い主というものは、とかく愛犬の名前を呼びたいようです
そしてオスワリと言いたくなるようです
○○ちゃん、おいで
○○ちゃん、○○ちゃん
おいで、オスワリ、○○ちゃん
○○ちゃん、オスワリ…
ほとんどの方の口癖がこれです
かなりの大失敗だと思います
呼んでも来ないのがわかっていて呼ぶというのは、失敗をさせるために呼んでいるようなものです
失敗を重ね続けたらそれがクセになります
呼ばれて行かなくてもべつに何も起こらなかった、だから行かないってことにつながります
呼ぶのであれば、来させるなり行くなりして、ちゃんとコンタクトして終わらせる方がいいです
なんでも同じですね
自分が言ったことは、きちっとやらせて終わらせないと失敗させただけになります
失敗させたくないなら、たいした必要がないなら、意味の無い口癖を言い続けるのはやめましょう
結果的に自分を大変にさせるだけです
子犬の場合は、まず自分の名前を覚えていませんね
そして呼ばれる、呼ばれたら行く、ということも知りませんね
だからまず名前を知ってもらうところから始めます
話しかけながら名前を交えるのは当然ですが、遠くにいる子犬に名前を連呼することはしません
子犬を少しの間眺めていて、ふっと目が合ったタイミングで名前を呼んでやります
わからないころはわかりませんが、「え、あたちのこと?」という顔をする一瞬があります
そうしたら、「そう! ○○ちゃん、おいで!」と呼びかけます
もちろん来られるはずがないので、こちらから出向いてコンタクトし、抱きしめてやります
その繰り返しをしていると、抱きしめてもらいたくて自分から走ってくるようになります
ちなみにわたしは、飼い主に呼ばれる喜びで抱きついて来るというようにしたいので、オヤツでつって教えることはしません
それだと飼い主がオヤツに負けたことになってしまいますからね
何をさせるのも同じで、オヤツでつりません
ただひたすら、「大好きな飼い主の言うことをきく喜び」という教育の仕方です
そう入れ込んだ子犬をお渡しするので、わたしの育てた子犬は扱いやすくて助かると言われるのです
一ヶ月長期預かりした孫の甚八もそうでしたが、ひとりになったルーシーさんには徹底的にこれらを仕込んでいます
24時間つきっきりで身を削って教育していますから、総合的に見てわたしの扱う子犬は安価です
自分が何かに集中しているとき、誰かに呼ばれても耳に入らないことがあるかと思います
テレビを見ているだんなさんに、ねぇ、ねぇ、と言ってもこちらを見ないとか、ウルサイナ! と言われることもあるかと思います
犬だって同じです
何かに気を奪われているときに、○○ちゃん、○○ちゃん、おいで、オスワリ、○○ちゃん、○○ちゃん、オスワリ…言っても耳に入りません
危険なことをしているならバシっと止めなくてはなりませんが、そうでなければ好きにさせてやればいいではありませんか
自分の口癖と欲求だけで名前を連呼したら、人間ならウルサイナ! と返ってくるところです
それを「うちの子は呼んでも来られない、どうやって躾ければいいのですか?」となるんですね
興味から集中が切れたとき、こちらを振り返ったタイミングで名前を呼んでやれば来られる確率は上がるはずです
そうしたらほめてやることができます!
どうぞ失敗してくださいという状況を作らず、逆に成功する状況をお膳立てします
良いと思われることをしたときにだけほめるなんてことをしていたら、ほんのちょっとしかほめてやれません 笑
自由にさせておいて良いことなんてしやしませんからね 笑
良い子にさせたいなら、手をかけて、手をかけて、ほんとうに大変な作業をしなければなりません
犬を飼うというのは、ほんとうに大変なことです!
好き好んで、なんでこんな苦労をしているのか自分で不思議になりますよ 笑